ロシアは天然資源を武器にパイプライン地政学を展開してきた。ウクライナ問題でヨーロッパとの関係が悪化しても、ブルガリアを経由するサウスストリーム・パイプラインの敷設は着々と進めてきた。だが12月上旬、プーチン大統領はついにサウスストリームを断念すると発表した。ロシアのガス最大手ガスプロムの代表は「This is it」とジョークを飛ばして、このプロジェクトを締めくくった。サウスストリームは黒海を通り主にブルガリアを経由して、南ヨーロッパに天然ガスを供給する。ウクライナを経由しないで安定した供給を南ヨーロッパにもたらすとしてヨーロッパからもまた、供給元であるロシアも期待が高かった。