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2014-10-22 12:00
きめ細かい外交を行おう
中山 太郎
団体非常勤職員
しばらく前の日本の新聞に、10月1日より日本外務省の食堂で「鯨カレー」1,300円が提供されることとなったと出ていた。訪ねて来た豪州人の友人が、ため息交じりに「今のトニー・アボット首相は自由党だし、日本びいきで、安倍総理訪豪時の『過去の歴史を穿り返すのはやめ、お互い未来に目を向けて行こう』などの発言は、暗に中国、韓国にあてつけたものだ。しかし、民主国家の常として国内には過激な反対派を抱えている。彼らは、非常識な動物愛護の主張など、一般の人々にはついて行けない主張もするが、ある程度は共感を得る理由は、豪は南極は自分たちの縄張りだとの意識がある。そこに来て荒らしまわる日本は怪しからんとなりがちだ。ノルエウエーなどは、自国近海ないしは北極で作業するのでそこが違う。環境団体などは、日本船が鯨に銛を打ち込むところとか、一般受けしそうな映像をテレビなどで流す。労働党政権になると、今のような日本びいきは無理かもしれない」と述べていた。
わが日本人は、国の安全にあまりにも無頓着なところがある。戦後米国が丸抱えで日本の安全を保障してきたからかも知れない。しかし、米国は力の低下を見せている。オバマ政権での対中国融和政策は、かえって中国の行動をより強腰、高圧的なものとした。わが国では、こうした国際情勢の変化にもかかわらず、集団的自衛権の限定容認、個別的自衛権の欠陥是正についてさえ、反対の意見が少なくない。
まさに、鎖国時代に逆戻りしているようにも思える。日本が、単独で日本の10倍以上の人口を抱える中国に対応するのが得策ではないことは、小学生でもわかることだ。中国は、11月上旬のAPECが終われば、主人役としてのメンツが保てたとして対日強硬策を再開し出すかもしれない、強権国家中国の動きは予断を許さないものがある。第二次大戦の時のような、主要国のほとんどを相手とした轍を踏まないように、自由と民主の共通価値観を持つ諸国とは、なるべくうまく付き合うのが大人の外交だ。
国が亡びれば、日本固有の文化などと言っておられないのだ。中韓の向こうにある常識ある世界と連携を強く保つためにも、「靖国A級戦犯合祀の見直し」、慰安婦問題でも韓国の先を行く「世界の性的搾取を受けている女性のための基金作り」(以上、北岡伸一氏の提案)など、真剣に検討すべきだ。また、慰安婦の強制連行はなかったとして、ニューヨーク・タイムズ紙に大々的な広告を出すなどは、大間違いだとの大沼保昭氏(文芸春秋11月号)の論述は、パブリック・デプロマシーの今後の戦略を考えるうえで傾聴に値する論だ。
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ダブル辞任で菅のダメージコントロールが光った
杉浦 正章 2014-10-22 06:09
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中山 太郎 2014-10-22 12:00
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