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2014-04-15 12:31
(連載1)「法の支配」の死守こそが日本の国益
鈴木 馨祐
衆議院議員
ロシアのクリミアにおける軍事行動は、非常に深刻な問題を我々に突きつけています。20世紀の最後から、ごく当たり前の感覚となったかに思える国際政治における「法の支配」の原則。国際社会の秩序を維持することが出来るかどうかの分水嶺に差しかかっているといっても過言ではありません。
クリミアの現状から明らかとなったのは、国際政治における「法の支配」はあくまでそれに挑戦する行動があったときに力で対応するという軍事力の裏打ちがあって初めて成り立っていたということ。特にこの数十年で考えれば、具体的には、アメリカの巨大な軍事力と、いろいろ批判はあっても国際秩序への挑戦があったときに実際に行動を起こしてきたというアメリカの決断に裏付けられていたという現実が明らかになったのではないかと思われます。
国際社会における「法の支配」は、言ってみれば公共財でもあります。不必要な軍拡競争に陥ることは、誰をも幸せにしない。いわばホッブスのリヴァイアサンの自然状態を国際政治の国家と国家の場において現出させてしまうことは、人類社会の発展にマイナスです。我々は、叡智を結集して一定程度の秩序と「法の支配」の原則が実際に運用できる状態をつくらねばなりません。その点で、今回のウクライナの問題は極めて深刻な問題を我々に提示しています。
特に、いわばGame Changerとして、中国が急速に軍事力を増強している現状です。よく中国共産党は「新たな大国間の関係=G2論」を主張していますが、この文脈での大国とは本来、自国の利益の追求をするだけではなく、公共財としての国際社会の秩序の保証も担うものでなければなりません。(つづく)
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(連載1)「法の支配」の死守こそが日本の国益
鈴木 馨祐 2014-04-15 12:31
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