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2006-09-25 12:10
日米同盟以外のオプションが必要
橋本 圭一
会社員
8月4日付けの「CEACコラム」に掲載された白石隆教授の論説「日米中3極会合を」を拝読した。白石教授は「ハイレベルの日米中トライ・ラテラル(3極)会合」を設置し、「日米中3国が東アジアの重要問題についてどのような戦略的ビジョンをもっているか、率直に意見交換し、エネルギー協力、北東アジアにおける信頼醸成・予防外交、東シナ海における行動規範などについて協議すること」が東アジアの地域秩序構築にとって重要であると述べておられる。私は白石教授の提案する「日米中3極会合」に賛成だ。日本の東アジアにおける安全保障政策の中心は言うまでもなく日米同盟だが、そろそろ日本も日米同盟以外のオプションを持つべきである。
今年7月に起きた北朝鮮によるミサイル発射事件の際、日本が強く主張した北朝鮮非難決議に関し米国が中ロとの妥協を選んだことからもわかるように、日米同盟が米国にとって最も重要な同盟の一つだからと言って、米国が常に日本との同盟関係を優先するわけではない。自国の戦略的利益によっては日本を切る。米国にとって当然の選択肢だ。日本も、日米同盟だけでなく、そのときどきの自国の利益によってとりうる戦略的オプションを増やすべきだ。
現在イラクに14万人の軍隊を駐留させている米国に、東アジアにおける軍事オプションはない。それが見えるからこそ、北朝鮮はミサイルと核の開発を継続してきたのではないか。東アジアにおける米国の軍事プレゼンスはそれでも強大だが、それが北朝鮮への抑止になっているかは大きな疑問だ。米国主導下の東アジア安全保障体制には限界が見えている。
とは言え、米国が日本の最大のパートナーであることはこの先もそう簡単には変わらないだろう。米国との緊密な関係を維持しつつ、日本は新たな敵を作らないことが重要だ。そこで、東アジア地域における大国、中国との関係が重要になる。「日米中3極会合」を通じた中国に関する関与と抑止の戦略により中国を信頼できるステークホルダーとすることができれば、それは日本の安全保障政策に新しいオプションを与えることになる。試みる価値のある提案だ。
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