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2006-09-23 12:51
非伝統的安全保障は域内の信頼醸成のために必要
山下英次
大阪市立大学大学院教授
9月21日付けの西原正氏の投稿「非伝統的安全保障を『ASEAN+3』で議論するのは疑問」に対して、コメントさせていただきます。
東アジア地域統合が必要とされる最大の理由は、この地域における「脱ドル」が、日本とアジアにとってどうしても必要だ、というところにあります。基本的には、それを「ASEAN+3」(APT)の枠組みで推進していくべきだと考えますが、経済面だけでなく、域内の信頼醸成を図ることも重要です。そのために、非伝統的安全保障も、そして将来的には伝統的安全保障もこの枠組みで議論していかなければならないわけです。欧州統合プロセスも基本的には「経済通貨同盟」(EMU)と「政治同盟」(PU)を並行して進めてきた、もしくは進めてこようと努力してきたのです。
また、アジア地域統合は当然のことながらグローバル・ガヴァナンス構造の多極化(polarization)の一環という意味もあります。イラクの問題等々で明らかなように、冷戦崩壊後続いてきた米国による一極支配構造は今日完全に行き詰っており、今後、世界は多極化していくことになるでしょう。そして、そうした動きは、ヨーロッパ、ロシア、ラテン・アメリカ等々世界各地域ですでに始まっているのです。そして、多極化は、基本的には日本にとっても好ましいことであり、米国とともにそれを食い止めようなどと考えるべきではないと思います。
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投稿履歴
非伝統的安全保障をASEAN+3で議論するのは疑問
西原 正 2006-09-21 17:08
┗
非伝統的安全保障は域内の信頼醸成のために必要
山下英次 2006-09-23 12:51
┗
ASEAN+3で進める意義
本名 純 2006-09-24 13:15
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