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2013-07-04 13:15
(連載)株価乱高下には規則がある(1)
田村 秀男
ジャーナリスト
日経平均株価は2012年11月後半から急上昇を続け、11月13日に8661円台だったのが、5月21日には1万5381円をつけた後、23日の急落以来、乱高下を繰り返し、6月中旬には日銀の異次元金融緩和が打ち出された4月4日の水準まで下がった。
乱高下の主犯は周知の通り、ヘッジファンドを中心とする海外の投機勢力である。「投機」と言うと、手が付けられない魔物の仕業のような印象を当たるが、彼らが引き起こす株価の乱高下は規則性に満ちている。今年1月初めから6月中旬までの日経平均株価の7営業日前と比較した変動率を、日本時間で前日の米国の代表的な株価指数であるダウ・ジョーンズ(DJ)平均株価と円ドル相場の各7日前比変動率合計値とつきあわせてみた。
すると、8割の確率で同一方向に変動し、ときにはぴったり重なり、しばしば日経平均は、米国の合計値以上の幅で上下に揺れ動いている。7日前との比較にしたのは、短期間の趨勢がくっきり浮かび上がるからである。前日比、あるいは数日前比では小刻みすぎて趨勢を読みとりにくい。ランダム(変則的)なはずの株価変動がなぜこうもたやすくコントロールされるのか。
日本株の売買金額の5~6割は外国人投資家で占められるが、外国人投資家の主力はヘッジファンドや欧米系投資ファンドであり、その本拠はウォール街に置かれている。彼らは、米株式相場と円ドル相場の変動を総合した日本株の自動売買プログラムをコンピューターに組み込んでいる。日本国内の機関投資家や個人投資家は外国人に引きずられるようにして株を売買する。従って、日経平均株価は、外国人主導で上下に変動し、国内の投資家が追随することで上下にバイアスがかかる。(つづく)
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