そのような地政学的、軍事的、経済的な影響力を持つロシアは戦略的機軸をアジアに移すべきだと、インドに拠点を置く「南アジア分析グループ(South Asia Analysis Group:SAAG)」が提唱している。SAAGによればロシアはシベリア開発や天然資源を中心に経済的には中国や日本などへと軸足を移している。今後は軍事的な機軸もアジアへと移して米露が協力関係を構築していくべきだというのだ。冷戦時代は米ソの対立の中アメリカは中国に接近してバランスを取ろうとした。今冷戦は終わり、アメリカは対中国へのバランサーとしてのロシアと関係を深め中国をヘッジするにはロシアは理想的だというのがSAAGの主張である。だがそれにはヨーロッパとのミサイル防衛問題が解決することが先決だろう。西側の脅威が低くなればロシアは東へとPIVOTを移すことができるのだ。