第3次アーミテージ・レポートでは、日本に対して「一等国として残りたいのか、それとも二等国の地位に落ちぶれたいのか」と決断を迫る。もし日本が二等国に甘んじるのであれば今回の提言は無縁だ。一等国に残れるかどうかは日本の「やる気」次第であり、もし残れれば米国は日本との対等(shoulder to shoulder)な同盟を期待する。日本にはその国力と影響力は十分にあるとする。また、アーミテージ・レポートが出されたのは、おりしも尖閣諸島に香港活動家が上陸し、韓国の李明博大統が天皇謝罪要求をした日にあたる。アーミテージ・レポートの提言内容はそのまま日本のみでなく韓国に対するメッセージとも受け止められる。日韓関係に関しては、歴史問題が両国の不和の原因となるため目の前の共通な脅威である中国に対して勢力を注ぐべきであると強調する。特に、日本には歴史問題に正面から取り組むことを促し、米国を入れた日米韓のセカンドトラックで日韓間の歴史問題を解決するよう提案する。また、日韓米間で棚上げにされている日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)や物品役務相互提携協定(ACSA)の早期締結を望む。