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2006-07-28 11:20
中国の国境・周辺国管理方法を見抜け
四条秀雄
不動産業
東アジア共同体が、中国にとって政治的戦術の一つに過ぎないことは、アジア全体の利益になる日本の常任理事国入りに反対したことではっきりしています。これまでは、日本の常任理事国入りに中国がどういう態度を取るのかは、推測の域を出ませんでしたが、最近の積極的外交のおかげで、相手の考えが非常にクリアに分かるようになったのは非常に良いことです。
靖国問題がどうのと言うのは政治的レトリックと相手国の政治的内紛を誘う策に過ぎません。伝統的に中国の国境・周辺国管理は、大陸国家に標準的なもので、絶え間ない軍事的圧迫か、周辺国の弱体化です。古くは李朝朝鮮、最近では北朝鮮・ラオス・ミャンマー・チベット・モンゴル、ベトナム侵攻等、実例を挙げたら限がありません。従って、台湾や韓国や日本にも同様の行動を取るのは至極当然なのです。
問題は、従来、大陸の国家は、このような行動を陸上においてのみ行ってきたのが、「一つの中国」論の結果、周辺島嶼国にも拡大してしまったことにあります。国境周辺で継続的に絶えず陸軍を動かし圧迫するように、現在は、海軍を動かすようになってきています。満州国が、国境線を守れなかった大半は、戦前の日本が大陸での軍事行動に慣れていなかったせいもあります。満州国への圧迫は、ほとんど中国側の初動で起きて、日本が戦線を拡大するという経過を辿っています。
大陸国家として満州国の正しい行動は、満州軍の北京地方政府への軍事的圧迫と、周辺軍閥・地方政府の弱体化であったわけです。そのようにしないと国境は守れないのです。アジアの政治を考える際に、考慮すべき点は、「一つの中国」論が、大陸の政治手法を海洋に拡大しつつあるということです。東アジア共同体などというのは、カモフラージュに過ぎません。
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