リビアのカダフィ政権崩壊を見守るアメリカで、「後方から指導する」(Leading from behind)という聞き慣れない外交スタイルが、話題を呼んでいるそうだ。「後方から指導する」とは、リビア問題が迷走していた今年4月、米国のリベラル系オピニオン誌『ニューヨーカー』で紹介された。オバマ大統領の補佐官の一人が同誌記者から対リビア政策を問われ、「後方から指導するのが、オバマ氏の対応だ」と説明した。これを好意的に分析し、いわば「オバマ・ドクトリン」の芽ばえであるかのように紹介したのが発端だ。ところが、この新外交スタイルについては「(1)中国などライバル国家の台頭で、米国の力が相対的に衰えた。(2)米国は世界各地で非難を浴びているから、表に立たない」などの後ろ向きの認識が強いとされて、保守派などから厳しい批判が寄せられた。