3月31日付けの『ウォールストリート・ジャーナル』で、豪州のシンクタンク、Centre for Independent Studies の John Lee が、「経済協力枠組み協定(ECFA)によって中台の経済的統合が進む中で、台湾側は、中台交流による中国インテリの民主化を期待しているが、中国側の台湾併合の決意は非常に固く、台湾の期待通りにはならないだろう」と言っています。すなわち、「台湾の人々は、台湾に大きな経済的恩恵をもたらしている ECFA が中国側の餌だということをよく承知している。しかし、年間何百万人もの中国人が台湾に来て、言論、報道、ネットの自由を満喫するようになれば、中国の台湾に対する態度も軟化するのではないかと期待している、しかし、中国側の戦略の基本は第一列島線を我が物にすることであり、事実上の支配だけでは満足しない。また、中国のエリートは、中国共産党支配体制の受益者であり、中国共産党の歴史的解釈の信奉者でもある。その上、もはや毛沢東やトウ小平のようなカリスマ的リーダーがいなくなった中国は、台湾問題について既存のコンセンサスだけで動き、柔軟な姿勢はとれなくなっている。つまり、台湾は、経済統合は不可避と思いつつも、台湾の政治制度の優越を信じているが、北京にはその存続を許す気は無い」と言っています。