『ウォールストリート・ジャーナル』紙の3月2日付で、米AEIの Michael Auslin が「ロシアは中国を恐れているのだから、日露両国は、二国間問題を適切に処理しつつ、中国からの挑戦に対し、共同で対処すべきだ」と論じています。すなわち、「昨年のメドベージェフ大統領による千島列島訪問や、ロシア国防省による千島列島への軍事視察旅行、さらに、ロシア海軍が太平洋側に活動の中心を移し、多数の潜水艦と水上艦を増やそうとしていることなど、現在ロシアには、20年ぶりでアジアでのプレゼンスを誇示しようとする動きが見られるが、ロシアの真の狙いは、伝統的な敵対国である中国のアジア地域における政治的、経済的勢力拡大に対処することにある。特に、人口の少ないロシア領シベリア極東地域が、大量の原料や資源を求める軍事大国中国にとって益々魅力的な場所となるだろうことは、中ロ両国が認識しており、将来的には中国政府がこの地域の領有権を望むようになる可能性もある」と指摘し、「日露両国は、二国間関係で新たな危機が生じないようにしつつ、両国が直面する中国からの安全保障上の挑戦に対処する方策を共同で検討すべきだ」と提言しています。