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2010-09-12 14:48
民主党代表選に白ける
入山 映
サイバー大学客員教授・(財)国際開発センター研究顧問
民主党党首選挙が何日か後に迫った。正直に言って白けきった行事の感が深く、マスコミがはしゃいだり、巷で熱の入った様子などを報道されると、「ほんとかいな」と感じたりするのだから、困ったものだと思う。歯切れが悪くて官僚答弁みたいな発言を繰り返している菅さんと、何ヶ月か前に幹事長を辞任、その後も一切説明責任を果たしていない小沢さんとの争いでは、菅さんの選択は lesser evil の選択以上のものではない。
ちなみに、小沢さんについて、説明責任というのは、刑事事件有罪・無罪の話ではない。どうして後援会がかくも巨額の不動産を購入する必要があるのか、その資金調達に極めて不自然な迂回経路を採ったのはなぜか、といったことについてである。解っていてとぼけている、それは民主主義政治家としては致命的な欠陥だと思う。小沢さんというのは、五分の戦いだったり、勝つとわかっていない戦いに出たりする人ではないと思っていたから、定めし圧勝なのだろうと何とはなく考えていたら、マスコミの下馬評では大接戦だという。再び「ほんとかいな」と眉唾の面持ちだが、鳩が飛び回ったりしたおかげで、良識派に逆風が吹いたのなら、これは祝着というべきか。一昔前なら、そろそろ実弾が飛び交っていたのだろうと思う。
100票がどちらにゆくかで帰趨が決するという報道が正しいとすれば、1票500万円で買えれば5億円の話だ。闇将軍とお母様の小遣いをもってすれば、何とでもなる金額ではある。公職選挙法の適用がないとなれば、なおさらそうだ。でも、まかり間違ってもそういう話にならない(ことを祈る)のが、民主党になって数少ない良いことであるには違いない。もっとも買収というのはされたことがないから解らないが、記名投票ならいざ知らず、頂くものだけ頂いて、それに関係なく1票を投じれば良さそうなものだと思うのだが、なかなかそうはゆかないもののようだ。
さて、民主党が当面の課題そっちのけで選挙にうつつを抜かしている最中に、自民党が三役を入れ替えた。辛うじて石破さんが残ったものの、世代交代に名を借りてタレントまがいのオンパレードだというから、選挙民も軽く見られたものだ。ここにきて音無しの構えのみんなの党をはじめ野党は、よく言えば国会開会待ち、悪く言えば敵失待ちに徹しているようにお見受けする。なんのかんのといって、結局のところ強固な官僚組織の舵取りのままに日本丸は進んでいるようだ。鉄面皮な天下り、渡りはあいかわらず。仕分けでつぶした筈の官益法人も、詰めが甘くて元気に衣替えして、生き残っている。ここは民間組織の出番だと思うのだが、世にも凄まじい公益法人制度改悪によって命絶える寸前であってみれば、希望の灯は消える寸前だ。「新しい公共」などと歯の浮く様なことを言っていないで、地道に一汗書いてくれる政治家はいないものか。
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