増大する軍事費の中味が不透明のまま、中国人民解放軍の近代化努力が年々加速されていることが指摘されている。とくに海軍の能力は、領域沿岸防衛を超えて西太平洋方面にも展開しうるる規模に拡大されつつあり、空母建設も本年中にも始まると指摘されている。しかし、それ以上のとくに驚くべき新しい重大な分析結果といったようなものはなかったようである。2009年版までとの明確な違いは、報告書のタイトルが、それまでの「中国の軍事力」(Military Power of the People’s Republic of China)から「中国にかかわる軍事および安全保障上の動向」(Military and Security Developments Involving the People’s Republic of China)に変わった位のものである。