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2009-10-01 20:10
(連載)鳩山政権の東アジア共同体外交(1)
石垣 泰司
アジア・アフリカ法律諮問委委員
鳩山政権はマニフェストで「東アジア共同体の構築」を標榜した。この目標に向けてどのような具体的な外交が展開されていくのか、内外から注視されている。 鳩山総理、岡田外相は、それについてのビジョンを国会における施政方針演説・外交演説の中で開陳する間もなく、共にニューヨークの国連総会の外交舞台に飛んだが、新政権として東アジア共同体構想を重視する姿勢は、総理、外相の外交活動を通じ次第に直接世界に明らかにされつつある。
まず、9月24日の鳩山総理の国連総会一般討論演説において、東アジア共同体の構築は、「日本が架け橋となって挑むべき5つの挑戦」の第5番目のものとして挙げられ、「今日、アジア太平洋地域に深く関わらずして日本が発展する道」はなく、「開かれた地域主義」の原則に立ちながら、「この地域の安全保障上のリスクを減らし、経済的なダイナミズムを共有しあうこと」は、わが国、地域、国際社会にとっての利益であり、「新しい日本は、歴史を乗り越えてアジアの国々の「架け橋」となることを望み、FTA、金融、通貨、エネルギー、環境、災害救援など、できる分野から、協力し合えるパートナー同士が一歩一歩、協力を積み重ねることの延長線上に、東アジア共同体が姿を現すことを期待する」と述べた。
また、これに先立ち、9月21日の中国との2国間首脳会談で、鳩山総理は、胡錦濤主席に対し、「友愛の精神に基づいて、対アジア外交を進めていき」、「信頼関係を築き、長期的には、東アジア共同体を構築していくことが重要である」と述べたのに対し、胡主席からは、アジア地域における日中協力の重要性について言及があったとされる。
翌22日、中国外務省副報道局長は、定例会見において、鳩山総理が日中首脳会談で東アジア共同体を目指す考えを表明したことについて「日本を含めた東アジア各国がさらに協力を深め、東アジア共同体という長期目標に向かって絶え間なく共に進んでいくことを願っている」と語り、歓迎する姿勢を示したが、同首脳会談では胡主席が鳩山総理に「歴史問題と台湾問題が中日関係の政治的基礎をなすものであり、日本側が両国関係の大局に立って問題を慎重に処理することを願っている」と述べたことも明らかにしたという。(つづく)
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