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2009-09-08 09:44
(連載)これは小泉選挙の裏返しだ(2)
花岡 信昭
拓殖大学大学院教授
それにしても308議席である。中曽根政権時代に自民300というのに出くわして驚いた記憶があるが、これをさらに上回る。そこで、民主党に対して心配するのもなんだが、巨大化したがゆえの「分裂圧力」が出てきはしないかと、そこが気になる。これが一部メディアの予測したように320に達していたら、また違った展開になっていただろう。320は3分の2ラインだ。ここに達すると、衆院再可決が可能になる。
つまり、参院で単独過半数に至っていないことを気にする必要がなくなる。社民党に連立の誘いをしなくてもすむのだ。鳩山氏は社民党、国民新党との連立政権をつくると言明した。党内には旧社会党グループを抱え、社民党との連立でスムーズな国会運営を目指す。
そこに、この政権のあやうさが浮かんでくる。日米安保体制をどう認識するかといったことから始まって、社民党は旧来型社会党と同じ体質だ。ここを気にしていたら、現実的な外交・安保政策など出てこようがない。実質的に選挙戦を仕切った小沢氏は、またまた「神話」をつくってしまった。これで一段とパワーアップし、事実上の院政体制が確立することになる。
となると、党内の「反小沢グループ」がいつまでおとなしくしているか。これが自公と拮抗してかろうじて多数を制したぐらいの結果だったら、党内に結束力が強まるだろうが、これだけ膨張すると、存在感を誇示しようといろいろな動きも出かねない。自民党は自民党で、これだけの大敗北を喫してしまえば、そういってはなんだが、「さばさばした」対応も可能になる。新総裁がだれになるのかはともかく、ある種の求心力が出てくるだろう。しばらくは鳩山新政権への「ご祝儀感」が作用していくのだろうが、政治の世界、場面転換も早いのである。(おわり)
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花岡 信昭 2009-09-07 20:19
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花岡 信昭 2009-09-08 09:44
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