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2009-05-12 10:08

大江さんの意見に賛成する

中山 太郎  研究所非常勤研究員
 NHK番組が、これまで欠落していた「罪」の視点を視聴者に提供した意義は小さくない、という大江さんの意見に賛成します。かって、小生が安倍晋三さんの祖父岸信介さんに、台湾でお手伝いをしたとき、一番下っ端であった人間への温かいまなざしを思い出します。岸さんは「この仕事は、なかなか大変だけれど、君が本当に大変なときには、私の秘書の部屋で一休みしてもいいんだよ」と、声をかけてくださった。

 岸さんは、かって胃が悪かったが、「巣鴨に居る間に直ってしまった」と、冗談めかしに語っておられた。その当時から、我々は、台湾の高齢な方々が、100%「日本万歳!」を言っているのではないことを、分かっていたし、100%日本に好意を持つことは国際的に異常でもある。当時の蒋介石国民党政権の弾圧への反発から、台湾の方々が日本を仰ぎ見ていることも察せられた。

 わが日本国民には、純な、直截な、お人よしな、良い部分は多々あるが、国際社会でしたたかに物事を洞察するのが下手である。日中戦争においても、そこを見破った蒋介石に泥沼の戦争に持ち込まれてしまった。その蒋介石の日本への愛憎こもごもについても、現地で折にふれ感じられた。

 国際社会における「弱者台湾」が、うまく生き延びていくためにどうするかは、日本の安全保障にとってもきわめて大事な話であるが、いたずらに直裁に「台湾万歳!」を叫ぶだけが能ではない。ひそかに、長期的な布石が重要である。日本には、自国を焦土と化しても、台湾を防衛する、意思も力も無いのだ。
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