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2009-04-10 22:50
北朝鮮にも使い道はある
河東哲夫
自営業
北朝鮮は、世界中で嫌われている。そして政権が倒れて半島が再統一されることが自明の理であるかのように語られている。だが、一つの国はそんなに簡単にはなくならない。1989年には東欧諸国の政権が相次いで倒れたが、それは西欧という、経済だけではなく、人間的・価値観的に非常に引力の強い存在が隣にあったからだ。
その点、北朝鮮の人達は、戦前の日本とか、現代の専制主義国家くらいしか知らないはずで、自由とか民主主義のために現政権を倒そうとは思わない。そして国家というものは、利権の塊り、国民の生活が拠ってたつ基盤だから、経済がよほど悪くでもならない限り、誰も自分の存立基盤を壊そうとはしない。
それに国際的に言っても、北朝鮮の存続が望ましいということは、実はコンセンサスなのではないか?中国は、韓国主導で半島が統一され、在韓米軍と直接対峙するような事態は避けたい。韓国は、拙速な再統一は経済的に過剰な負担になるだけでなく、中国と直接対峙することになって、おそらく中国寄りに傾かざるを得まい。それは国際経済における韓国の立場には良い影響を及ぼさないかもしれない。そして北朝鮮は、中国の後ろ盾なしには存立が難しい国でありながら、高句麗の時代から独立不羈で中国に手を焼かせていたのだ。
奥歯にものの挟まったような言い方で終始したが、言いたかったことは、北朝鮮というのは、北東アジアにおける力のバランスを維持していく上で、けっこう使い道のある国ではないのか、ということだ。もちろん、拉致問題、原爆・ミサイル問題を解決してから言えることだが。くわばら、くわばら。
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