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2008-12-07 13:43
期待されるG20サミットとAPEC首脳会議の連動
山澤 逸平
一橋大学名誉教授
米欧の金融危機が世界経済危機に拡大する中で、G20サミットが11月15日ワシントンで開催され、緊急金融安定化と成長と安定回復のためのマクロ政策の協調実施を決めた。その次の週ペルーのリマで、APEC首脳会議が開催された。首脳達は「世界経済に関する特別声明」を発表して、APEC参加21カ国が「G20の宣言と行動計画を支持して、必要な広範な施策を実施し、18か月でこの危機を克服する」と言明した。開かれた貿易投資体制を維持するため「今後12ヶ月間はいかなる保護措置も採らない」と約束し、WTOのドーハ・ラウンド交渉を「野心的で均衡の取れた形で決着」させることを誓った。
G20サミットは、新しい世界経済運営枠組みになると期待できる。G8と変わり映えのしない対応策だが、中国、インド、ブラジル等主要新興国に豪州や韓国等中規模国も参加し、世界大で共同歩調をとる体制ができた。それを大きな地域グループが支持し、協調実施しよう、というのである。APEC参加の9カ国がG20に参加しており、強力な推進役になりうる。テーマも重複している。APECは政策協調に合意するだけでなく、新興国メンバーに技術協力やキャパシティー・ビルディングで、その達成を助ける仕組みを持っている。G20には、今後環境保護、天災・伝染病防止、テロ対策、貧困撲滅等取り組むべき課題が多い。それらはすでにAPECのアジェンダに取り上げられている。その実施に緊密に協力することはAPECの新しい貢献になるであろう。
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