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2008-09-10 11:52
グルジアが台湾に見える
永山英樹
台湾研究フォーラム会長
グルジアの南オセチアを領土に編入するため、その住民にロシア国籍を与え、その「ロシア国民」を守るとの名目で同地域に軍事侵攻したロシアだが、それは中国が描く台湾侵攻のシナリオによく似た展開かも知れない。
中国は、台湾が「独立宣言したとき」「外国が台湾を占領したとき」、そして「台湾で内乱が発生したとき」などに武力を行使すると公言しているが、この「台湾の内乱」とは何かと言うと、それは台湾人と在台中国人と言う二つの勢力の衝突である。かつて在台中国人のメディアが「台湾人が馬英九を刺殺しようとしている」とのデマを流しただけで、中国の御用学者は武力侵攻の可能性に言及し、台湾人を恫喝したことがあった。
中国は在台中国人に中国国籍を与える措置を採っていないが(たとえばパスポートを交付するとか)、在台中国人の政治勢力はすでに中国の傀儡と化しており、台湾はすでに「蛇に睨まれた蛙」ならぬ「ロシアに睨まれたグルジア」の状況に陥っているのではないかとすら思える。
グルジアの弱みはNATOへの加盟を果たしていないこと。それは加盟諸国の中で、ロシアとの関係悪化を恐れる国々が反対しているからだ。そこでロシアは安心してグルジアに軍を進めることができた。一方台湾は、国連にすら加盟できないでいる。もちろんこれも各国が中国との関係に配慮しているからだ。そうこうしているうちに、台湾の国土も、中国軍の蹂躙するところとなるのだろうか。
ところで台湾がグルジアなら、日本はどこの国に値するのだろう。ロシアの周辺諸国はロシアの勢力拡張に怯えているが、日本も中国の勢力伸張にそろそろ怯えた方がいい。そして国家として有効な対抗措置を検討するべきだ。
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