ホーム
新規
投稿
検索
検索
お問合わせ
2008-07-08 18:02
アジア物流共同体構想を提案する
近藤健彦
明星大学教授
さる4月25日に開催された東アジア共同体評議会の政策本会議で、有識者議員のお一人である深川由紀子早稲田大学教授が「東アジア共同体構想をめぐる韓国の動向」と題して基調報告されたのを、速記録で読ませていただいた。さすがに韓国問題の今や大御所のご発言だけあって、随所に印象的なところがあった。その中に「今は国際競争が、いかに早く、いかに確実にカスタマーに届けるかの競争なので、実は2、3時間の遅れがーー低い関税より、意味がある。ーー別途こういう機能的協力をやった方が、実質的にFTAに近づけるんじゃないか」というくだりがあった。
それで思い出したのだが、ジャン・モネの欧州統合は、もともとは物流共通構想だった。第一次大戦は海をめぐる戦いだったが、ドイツの潜水艦に苦しめられた英仏は、小麦などの船賃が不当につり上がるのをおさえるべく、戦時の物流資源を共通にし、艦船をプールすることで、連合国側の経済的優位と補給の自由を確保しようとした。それがモネ構想の原点だった。深川先生に言われるまで気がつかなかったが、およそ共同体にとって物流というのは、面白い角度かもしれない。将来を見据えて「アジア物流共同体」構想を誰か打ち上げてみられてはいかがか?
>>>この投稿にコメントする
修正する
投稿履歴
一覧へ戻る
総論稿数:4661本
東アジア共同体評議会