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2025-01-22 16:09
欧州の電気自動車市場における中国本土の自動車メーカーの動向
真田 幸光
大学教員
欧州の電気自動車市場に於ける2024年11月の中国本土車のシェアは7.4%となり、直近7カ月で最低値を記録したと報告されています。欧州連合(EU)による、中国本土製電気自動車をターゲットにした最大45%前後の関税障壁が効果を発揮し始めたと見られています。こうした内容は、ブルームバーグ通信が報じているものであり、中国本土製電気自動車ブランドの2024年11月の欧州電気自動車市場に於けるシェアは7.4%に留まったとの報道したことに基づいた見方となっています。
2024年3月の7.3%まで下落傾向にあった中国本土製電気自動車のシェアはその後4月から増加に転じ、6月には11.1%と最高値を出していました。しかし、中国本土製電気自動車に対する臨時関税が課された7月からは再び減少傾向に転じていると見られている。本格的に関税を課するようになった10月からはシェアが更に急減し、1カ月で0.8ポイントも減ったことになります。こうした状況下、電気自動車の関税に阻まれた中国本土メーカー各社は、プラグインハイブリッドカーをはじめとする代替品の輸出に力を入れ始めていると見られています。そして、調査会社であるカウンターポイント・リサーチによると、2024年の中国本土製プラグインハイブリッドカーの欧州輸出は昨年対比で20%増える見通しであると分析されています。
一方、中国本土メーカー各社は欧州現地生産も増やす傾向にあると見られています。中国本土の自動車メーカーであるLeapmotor(リープモーター)は多国籍自動車メーカーのStellantis(ステランティス)と提携して、2024年下半期からポーランドで電気自動車を生産して欧州で販売し始めています。2024年10月のパリ・モーターショーでは毎年新車を出すという計画も発表しています。
中国本土の自動車メーカーが今後、欧州市場を如何に攻略してくるのか注目したいと思います。そして、その際には、「人民元安に伴う輸出ドライブ」を一気にかけてくることも想定の中に入れておくべきかと思います。尚、台湾の鴻海も本格的に電気自動車市場に参入してくる可能性もあり、そうした意味で日産の買収を進めているホンダとの連携をするのか、対抗するのかについても、私たち日本勢としては注目していきたいと思います。
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