5月24日の衆議院予算委員会で岸田総理と質疑をさせていただいたところですが、今回の広島G7サミット声明の記述の中の、「我々はデカップリングまたは内向き志向にはならない(We are not decoupling or turning inwards)」という文言、この点、中国に対して誤ったメッセージとならないような発信が今後極めて重要になります。1938年のミュンヘン会談、当時の英仏独伊の首脳が出席したこの会談で採択されたミュンヘン協定は、融和外交の失敗例の代表的なものとされ、英仏の弱腰をヒトラーに見透かされその後のナチスドイツの増長を招き、第二次世界大戦を引き起こす大きなきっかけとなったと言われています。独裁色を強め軍拡を続け、台湾への野心を隠さない習近平国家主席体制の中国への対応をどう打ち出せるかが大きく問われた今回の広島サミットは、対中国という意味では、ミュンヘン会談と非常に似たタイミングで行われた会議と言っても過言ではありません。