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2022-12-27 18:24
韓国の三星電子と現代自動車のブランド価値に関する外部評価について
真田 幸光
大学教員
グローバルビジネスを企業が展開する際、その企業の、「ブランド価値」を高めていくことが大変重要なポイントとなる。こうした中、韓国の大企業もブランド価値の向上に努めている。例えば、韓国のトップ自動車メーカーであり、世界的な自動車大手である現代自動車は、ブランドコンサルティング大手である米国のインターブランドが発表したブランド価値評価ランキングとなる、「ベストグローバルブランド2022」で、現代自動車の順位は35位となったと伝えている。2015年から8年連続で上位40社に入っている。このランキングは各ブランドが持つ価値を金額に換算しており、現代自動車のブランド価値は173億米ドルと評価されている。そして、初めてトップ100に入った2005年に比べるとブランド価値は138億米ドルも増加し、順位も49ランクもアップしている。
現代自動車は今回の結果について、「人類の為の進歩」というビジョンを掲げた中、電気自動車(EV)専用プラットフォームを独自開発してEV化を推し進め、ロボティクスとメタバース(仮想空間)を組み合わせるなど新概念のモビリティー(乗り物)体験を提供したことが、高い評価に繋がったと自己分析している。一方、インターブランドは、「現代自動車は環境に配慮したモビリティー生態系(エコシステム)を構築してEV化のビジョンを実現しているだけでなく、消費者のライフスタイルに寄り添うブランドに生まれ変わろうと努力している。」と高く評価している。
また、同じくインターブランドが発表した「ベストグローバルブランド2022」で、韓国のトップ企業である三星電子は、そのブランド価値が前年対比17%増の877億米ドルとなり、3年連続で世界5位となっている。同1~4位はアップル、マイクロソフト、アマゾン、グーグルの米国勢であるが、これに続いた三星電子は、スマートフォンやテレビ、家電、ネットワークなど全製品のブランド価値が均等に上昇すると共に、世界的なデータの使用増加に伴って半導体のブランド価値が大幅に上昇したと評価されている。また、6位のトヨタ自動車との差は昨年の171億米ドルから今年は279億米ドルへと広がったともコメントされており、日本企業を上回っていることが、殊更、強調されている。
三星電子は2012年に9位と初めてトップ10入りし、2017年に6位、2020年と2021年に5位を記録している。韓国企業のこうしたブランド価値を高める動きに注目しておきたい。
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