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2022-07-15 22:11
安倍元総理の御逝去を無駄にしないために
荒木 和博
特定失踪者問題調査会代表
安倍元総理の御逝去を悼み、謹んでお悔やみを申し上げます。歴代最長の政権を担われた方が、あのようなかたちで一命を落とされたこと、何とも言いようのない無念さを感じます。今回の事件は世界中に対する恥です。もはや諸外国が日本に要人を送るときに「本当に大丈夫なのか」と思われても仕方がありません。ほんのわずかな隙がときに歴史を変えることがありますが、今回のこともそうなる可能性が皆無ではありません。
あり得ないことが起きる時代です。世界中にコロナウイルスの感染拡大が起きたこと、ソ連がウクライナに攻め込んだことなど、もちろん専門家などには「分かっていた」という人はいるのでしょうが、多くの人は実感していませんでした。今回の警備について、警察や自衛隊関係者の友人たちは口を揃えて「平和ボケ」と言っています。何も起きないと思っていたときに何かおきるのと、構えていて何か起きるのでは対応が全く異なります。特にコンマ1秒の違いで命が奪われるような緊急時ではなおさらです。
拉致問題についても、相手が動くのを待って「条件を付けずに話し合う」というのはまさにこの平和ボケの最たるものではないかと思います。私自身正直な話、1990年代初めから北朝鮮の体制は崩壊すると思い続けてきました。実際今の体制は、漫画風に言えば「お前は既に死んでいる」かも知れませんが、それでもともかく生き残っています。こちらが覚悟を持ってあたらなければ事態は打開できません。もともと拉致問題自体が「あり得ないこと」だったはずです。外国の工作機関が日本の民間人を拉致していく、他の国の常識では考えられません。それを長年やり続け、しらを切り続けている。北朝鮮は悠然と構えていてそこから被害者を取り返すことはできないでしょう。だからこそ「拉致問題を解決する」と言って歴代最長の政権を続けた安倍総理のもとでも被害者の救出は実現できなかったのです。
安倍元総理の死を無駄にしないためには今こそ目を覚まして、被害者救出のためになりふり構わず闘う覚悟があらためて必要なのではないか、そう思っている次第です。
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