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2021-11-24 20:02
ソ連崩壊30年、再び緊張高まる旧ソ連国境
飯島 一孝
ジャーナリスト
人類初の社会主義国家・ソ連が崩壊したのは、1991年12月25日だった。それから30年後の現在、再び旧ソ連国境で軍事的緊張が高まり、ポーランド国境などに移民が殺到している。ソ連崩壊後、独立した国々では今も旧ソ連時代の民族対立や独裁政治が続いており、政情不安が深刻になっている。
私が記者としてモスクワに駐在していた30年前、ソ連は15カ国の共和国で構成され、ソビエト社会主義共和国連邦(ソ連の正式名称)と名乗っていた。だが、1991年8月のソ連共産党首脳部によるクーデター失敗をきっかけに崩壊に向かい、ソ連中枢のロシア、ウクライナ、ベラルーシ3国首脳による「ソ連解体宣言」で事実上、ソ連は解体された。この背景には、リトアニアなどバルト3国の民族主義、ウクライナ、グルジアなどの反ロシア主義など、様々な要素が絡まって爆発し、大国ロシアのコントロールが効かなくなったことが挙げられよう。だが、エリツィン初代ロシア大統領の後を継いだプーチン第2代大統領が、再び旧ソ連復活を目指して動き出したため、ウクライナやベラルーシとの間の亀裂が深まっている。
ロシアの最近の攻勢に対し、EU諸国が反発し、ロシアとウクライナ、ポーランドなどとの国境に軍隊が集結し、緊張が高まっている。米国もこれを無視できず、イージス艦などを相次いで黒海に派遣している。特に米露の間で対立しているのは、ウクライナのNATO(北大西洋条約機構)への加盟問題である。
30年前、ソ連は当時のゴルバチョフ大統領の決断で大統領を辞任、事態を打開したが、今回はどう決着をつけるのか。事実上、終身大統領の地位を固めたプーチン大統領は、この事態をどう収めるのか。英断を期待したいが、プーチン大統領が後継者を排除し続ける限り、事態の打開はできそうもない。当面はバイデン米大統領との来年1月の会談を見守りたい。
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