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2021-09-14 08:08
日本の今後の対中ビジネスについて考える
中山 太郎
非営利団体非常勤職員
筆者の心配性な知人が、最近、米や欧州における日本企業に対して人権侵害を行っているとして取り締まり告発を行っていることについて、次のように言っていた。
日本は欧米のように大声で人権について擁護を騒ぎ立てはしないまでも、きちんと彼ら並みのことはしている。トランプ時代は、米は中国の個別企業を名指しで制裁していたが、今後は一般の民主主義国家の企業もこうした「間接」的なやり方で取り締まりだした。日本はジェノサイドについての法的な規定はないし、欧米のような議会などでの決議など行っていない。こうした、先進国のうちでは文明、人種の違い、すなわち彼らと異質な面が出だしているのではないのか、彼らの歴史を過去にさかのぼると、カトリックとプロテスタントの両者の対立は、血を血で洗う、モノとなり、多くの人々がその犠牲となった。ドイツなどは、国民の何割かは減少したと言われる。とことんやらねば気が済まないのだ。しかし、いま世界で今まで我が物顔で、世界中に自分たちのやり方を押し付け、さも、自分たちだけが正義だということに疑義を挟む人々が増えたのではないのか。9.11で米は、過激派に確かにむごい攻撃を受け、同情にあたいするが、ウイグル族の過激派が、90年代北京その他で、テロを行い多くの無辜の庶民が犠牲になったことには目をつぶるのだ。一方、中国側も強気で、中国に対し外国が制裁を加えたら、すぐやり返すと言明しているし、その制裁に関与した外国企業も同罪だと言っている。こうなると、日本は双方からパンチを食らう羽目だ。
以上のことを、知り合いの在日の米国人学者に述べたところ、聞くところでは、ユニクロ側も反論しており、いま米当局との係争中だとのことだ。米企業もやり玉に挙げられているのだ。大体、米当局の言う「ウイグルでの強制労働に一切かかわりがない」ことを証明せよと言われても、世界中から部品、資材を集めているグローバル企業にとり、難しい話だ。多くの中国に進出している米企業も政府に働きかけ、対中ビジネスのガイドラインをはっきりさせよ。本当にすべての分野で中国と手を切ってもよいのかと圧力を強めているところだ。ファーウエイの告訴も、カナダからの移送にまで至っていない。独裁国と違い何事も時間がかかるし、その間に、様相が変化もするのだ。
そして彼は、参考までにと言って、第二次大戦のころの、米のグローバル企業ゼネラルモーターズのドイツでの動きについて教えてくれた。ドイツには同社の傘下にオペル社があった。米は何事も記録をきちんと残すが、この案件でも、ドイツの米国人幹部社員が精細な記録を残している。彼は、ドイツに極めて親和的、融和的であった。ちょうど、中国に存在する米企業のようにだ。そして、儲けている多くの企業人がそうであるように、自分たち経済人が、ドイツの政策、対外姿勢を左右できるのだと自信満々だ。しかし、米はその後中立から英陣営へと軸足を移した。結果的に、ゼネラル社は、ナチ政権の自動車生産へ寄与したのだ。それを挽回すべく米が大戦に参加したのちは、大車輪で自動車、航空機、機関銃その他の火器生産に励み米の軍需生産の第一人者となったのだ。こうした、政治の絡む事態になると、企業は間で色々なやまざるを得ない。経済人の宿命なのだ。日本人は世界の各地で商工会議所を持ち集まってはいるが、米のように訪問してきた政治家、ジャーナリスト、学者などの話を幅広くほかの国の人たちにも声をかけ集まると言うことが少ない。いまの時代は情報は、幅広くいろいろな方面から入れるべきだ。
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