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2021-06-15 08:02
良きアメリカに思いをよせて
中山 太郎
団体非常勤職員
安倍前総理の出身の成蹊学園の創始者の中村春二は、才能があり、苦労している人間、例えば牧野富太郎植物学者などへの資金援助など、才能育成に多方面で活躍された。外務省の有馬龍夫元駐独大使や槇原稔元三菱商事会長など、才能ある学生を高校時代に米へ留学することへ積極的であった。
戦争後間もないころはまだ、こうした留学は極めて少なかった。このお二人には、筆者は国際場裏の場面でお世話になったこともあり、感謝の念で一杯だ。その有馬さんがどこかに書いておられたが、槇原さんは留学先の高校の構内スピーチコンテストで見事優勝した。まだ、第二次大戦の生々しい思い出が残る時代に、敵国の留学生のその努力や才能を認め、きちんと評価する度量がその頃のアメリカにはあったのだ。いやまだ多くのアメリカ人が持っているのだ。
知り合いの中国の反体制派の知識人も述べる。米は、いまのバイデン大統領は、中国との全面的な対決を必ずしも望んでいるとは思えない。COMPOSITION と COOPERATION との混合政策だと述べる。中国がかっての文化大革命時代の排外主義のトラウマを抱えるように、米もまた、第二次大戦後間もなくの時期の赤の恐怖にヒステリーとなった一時期の再来を、米の知識人たちは望んではいない。こうした、黄禍論や共産主義への恐怖の行き過ぎは、社会の分断をもたらすばかりでなく、本来持つ良き米の伝統の世界から多様な人材を引き付ける力をそいでしまうのだ。これは自国中国についてもいえる、とも述べる。傾聴に値する言葉だ。
今回のロンドンでのG7サミットで、菅総理は、写真撮影の際、ひとりぽつんと孤立していてダメだと一部外野はうるさい。しかし、今の時代こうした些事にこだわる必要はない。日本は地味でも堅実な実行で、世界に真の貢献を果たしてゆくことが大事なのだ。筆者の知る、心ある、米や中国の人たちも同じ心情だ。
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