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2021-03-01 18:23
オリンピックとイエローカード
古閑 比斗志
医師
アフリカに行かれたことのある人ならばイエローカードをご存知であろう。ロックフェラー研究所で黄熱の研究をしていた野口英世はアフリカの現地に入り黄熱ワクチンの研究開発をした。野口自身が黄熱に罹患し死亡した事は有名である。アフリカやアマゾンは黄熱の流行地域であり黄熱ワクチン接種を受けていないと入国できない国が多い。
イエローカードはその黄熱ワクチン接種証明書である。イエローカードがなければ入国拒否となるのは黄熱流行国及び黄熱流入を防ぎたい国の両方である。イエローカードは入国時に提示を求められる。モザンビークは後者である。イエローカードを所持していなければ入国時に空港検疫所で黄熱ワクチン接種が強制される。
イエローカードはIHRに規定されておりWHOが発行している。このイエローカードにワクチン接種施設が接種した事実を記載するものである。我が国では検疫所およびその関連施設でなければ黄熱ワクチンは接種できない。また証明書も発給できない。かつて黄熱ワクチンは10年に一回接種であったため検疫所における記録保持は10年間であったが2021年現在、黄熱ワクチン接種は終生免疫となったため、接種記録は永年保存となった。
さて2021年7月に我が国はオリンピックを開催予定である。各国の心配は新型コロナウイルス感染症への罹患である。昨年末よりワクチン接種が開始されイスラエルでは流行は急激に終息に向かっている。米英でもワクチン接種により流行のピークは過ぎた。ワクチン接種は開始されたが我が国の心配は感染者の流入である。従って新型コロナウイルス感染症をコントロールするためには入国時にPCR検査結果を提示させるか新型コロナウイルスワクチン接種証明書を提示させる事であろう。
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