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2020-12-24 17:38
中国の動向と日本の安全保障
中山 太郎
非営利団体非常勤職員
若い中国研究の日本人学者が困りましたと言ってこられたので、なんだというと、中国研究で資料の穴場であった香港中文大学の中国研究センター【中国研究服務中心)が、閉鎖されるという。これは、日本においてジャーナリストが、大宅壮一文庫に行けば、種々雑多のおたく的なものでもそろうように、中国研究でのそうした資料の宝庫でもあったのだ。最近の大陸の締め付けの厳しさが増してきている流れで閉鎖されたようだ。米総領事館が、以前苦労して収集した文革時代に大陸から逃げてきた難民からのインタビューも相当集めており、米の息がかかっているということも理由のようだ。筆者もこの若い学者から色々教えてもらうこともあるので、また情報源が少なくなったと嘆くばかりだ。今、各国とも上り竜の中国について注目しているところで、専制体制の在り方からくるこうした情報の締め出しにはまいってしまう。中国にとっても、世界に中国の真の姿を教え、中国への理解を得る機会も自分から奪っているのだ。
知り合いの反体制派の中国人の話だが、1989年の天安門事件の時に、当局は、自国民へ銃を向けることもいとわない乱暴者がそろっている師団を遠方から呼び出し天安門広場へ入れた。彼らは、天安門の斜め向かいの「歴史博物館」で寝泊まりした。事件後長らく同博物館は開館しなかったが、それは寝泊まりした兵士たちが、展示品の貴重さなどわきまえず。暇に任せ、壊したりの乱痴気騒ぎをしたからだと述べていた。そして、中国共産党は誤りを決してしない建前になっていることから、陳列内容も、天安門事件後の党の路線に合わせ調節しなおしたのだと述べていたのを思い出した。
今、年末で、雑誌は来年の世界の予測で溢れている。中国経済について、ほとんどの論説や見方は、欧米が新型コロナウイルスの感染拡大に伴う都市の封鎖などにより、経済は落ち込み、来年もあまり期待できないが、唯一、中国のみはコロナ禍をほぼ終息させ、21年の成長率はプラス成長で、7%台と言う見方もある。勿論、国有企業の債務問題などの懸念材料はあるものの他の欧米、日本に比べれば見通しは断然明るいとしている。知人の習近平嫌いの中国人学者の毒舌ではないが、本当に習近平は「豚の頭脳だ」と言ってみたくなる。その知人は、習近平は自信があるのではなく、自信がないのだ。権力闘争の熾烈な全体主義体制の中で、どこから球が飛んでくるかわからないのだ。西側諸国は強い中国を問題にするが、弱い中国ほど何が起こるのかわからないのだ。偶発事故を上手く処理できずに、大きな紛争に発展させてしまう恐れも出てくるのだと述べる。
一方、米のバイデン次期大統領も、史上一番弱い大統領など論評されたりしており、どちらかと言えば弱い指導者だ。日本は今まで安全保障問題は、米に任せ、安上がりのコストで長いこと過ごしてきた。しかし、ここで真剣に自国の防衛は自分でやる気が前にならなければだめだ。一番頭が痛いコストにつても、真剣にどうすれば安上がりにできるかも考えなくてはならない。直接反撃能力を持ちことも検討すべきで、今の議論することさえまかりならんと言う社会の空気は困ったものだ。
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