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2020-12-23 07:56
迷走する欧米と中国
中山 太郎
非営利団体非常勤職員
コロナ騒動は益々猖獗を極めつつある。日本でも感染拡大は止まりそうにないが、英国において強い感染力を持つ新型コロナウイルスの変異種が確認されたと報道され、その拡大とともに英国ひいては欧州全体にも経済的打撃への懸念が出てきている。欧州の株式市場では、航空株をはじめとして株価の急落、それを受けての物流へも多大な影響が出始めてきている。人、モノの停滞が出てきているのだ。既に欧州はじめ40か国以上が英国からの渡航を禁止しだした。
今まで一部知識人を除き、欧州特に西側に位置するEU域内での先進国の人たちは、東側の欧州加盟国、それに米、カナダなど北米の国さえも文化的には俺たちの方が上だと豪語していて、ましてや、白人以外の黄色人、黒人への偏見は強かった。しかし、感染症の蔓延はそうした豪語を意気消沈させる効果をもたらしてもいる。
ある中国人へ今の状況につき尋ねたところ、その回答ぶりから興味深い部分を次の通り紹介した。この中国人は、反権力体制の人物で、習近平は「豚の頭」だと毒舌を吐いてもいる。「人種偏見の馬鹿らしさが良く分かる。経済的に上になると人としても優れていると誤解してしまうのだ」、「アヘン戦争以後の180年苦しめられてきた白人上位、欧州人上位が揺るぎ始めたのは非白人として嬉しい限りだ」、「しかし、中国としては、やはり対EUよりも米国や日本との対応が要だ。米との対立が先鋭化するにつれ、日本との関係が大事になってきている。環境問題一つをとっても自国だけでの解決は不可能だ。日本の資本、技術力その他のソフトパワーの助けがいる」、「米ソ冷戦時代は、経済についても西と東に分けることが出来たが。今は世界が入り組んでおり、深く相互依存している。」である。
他に、「日本と同じく中国外交の基軸も米国なのだ。」、「中国と米国は深まる相互補完、相互依存の中色々な利害共有国でもあるのだ」、「菅総理の就任に当たり、習近平は各国に先駆けての祝電を送った。菅総理の各国首脳との電話会談で、豪、米、ASEAN、韓国の後に回されたが、今の中国は文句を言わないのは、それだけ追い詰められて居るからだ」、「自分(この反体制派の中国人)は、東大の高原明生教授が示唆されておられる意見、FOIP(自由で開かれたインド太平洋)は、中国にも開かれている。習近平は、CPTPPへの加入を積極的に考えると述べている。安倍前総理は条件付きではあるが、中国の提唱する『一帯一路』に協力すると述べているのだから、もし、習近平が真に自信があるのなら、FOIPへ参加表明をしてもよいのではないのか。そうすれば、今の国際関係の基調を大変革し、迷走する欧米諸国を出し抜くことが可能なのだ」である。
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