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2020-12-02 07:55
今こそ豪州を応援しよう
中山 太郎
非営利団体非常勤職員
今、豪州で豪の軍隊がアフガニスタンで民間人らを不当に殺害したとの事件の調査結果を受け騒いでいるところへ、中国外交部は、11月30日、豪州軍兵士が子供を殺しているように見える写真をツイッターに投稿し、モリソン豪首相はじめ豪各界から猛烈な反発を受けている。豪の貿易の最大の得意先である中国だが、最近の豪のコロナの中国責任論はじめ南シナ海での中国の横暴ぶり、香港での民主主義弾圧の動きへの批判、中国のサイバー攻撃、スパイ、内政干渉などで、おとなしい豪州もこのところ対中国への態度を硬化させてきたところにこの嫌がらせだ。しかし、写真のフェイクなどは今まで日本が中国からさんざんやられてきたもの、その時は、豪州は日本は中国へ攻め込んで色々悪さをしたんでしょうと冷たかった。安倍内閣の時、潜水艦の売り込みに成功しそうだったが土壇場でフランスに持って行かれた。当時は、日本は中国と対立していたところだったので、豪州は中国をおもんばかったのだと言われた。
私が中国に在勤中に、ある博物館の学芸員と会話したことがあるが、古い絵画について、彼は「これより新しい年代のもので偽造だが、絵の具、額縁、絵の技法、皆優れたものだ。こちらの方を自分たちは重んじている」と述べ、偽造について黙認したことだ。オリジナリティー、古いものをそのまま残すことに無頓着だったことだ。文革末頃に中国に滞在したことのある人はご存じだろうが、天安門の楼上に指導者たちが並ぶが、4人組が倒れた後、テレビ画面から4人組だけがきれいに消えて再放送されていた。こうした修正技術に長けているのにも驚いた。日本は、米などでベストセラーとなった「南京事件」などでこの技法をいろいろ使われた。今、中国は豪州苛めに邁進している。豪州のワインに高関税をかけると決めたし、その前には牛肉その他の農産物、石炭その他の鉱物資源の取引停止乃至は大幅な輸入縮小などの嫌がらせをしている。子供じみた態度だが、これが中国の一つの姿なのだ。14億の人間がいる中国なので、我々と同じ感度を持つ人も多くいるが、しかし、そうした人たちは今声を潜めざるを得ない社会なのだ。我々庶民でもできる豪州応援は、外食ではなるべく豪州産ワインを飲み、オージービーフを食べるぐらいしか思い当たらないが、それでも何もしないよりいいのだ。最後に、中国の対米や西側諸国との対立につき、悲観論者と楽観論者の知識人を取材したところを、以下のとおり紹介する。
(悲観論者)中国は、AIIB,BRICKS新開発銀行、「一帯一路」イニシアチブ、RCEPなど、取り揃えてはいるが、その実態は米主導の世銀、WTOなどのグローバルガバナンスの実力には到底及ばない。米などとの競争の激化は、世界の中での同志の国を求める動きになろうが、中国についてくるまともな国は少ないだろう。米で大統領が変われば、対中態度に変化がある、中国に対する技術の締め付けは緩和されると述べるものがいるが、中国には製品は売るが、技術の輸出はダメだという流れは変わらない。
(楽観論者)技術の問題は、時間が解決する、資金、人材を大量に投入するのだ。そもそも、中国が民族復興の歴史的使命を果たすのは、歴史の正当な流れだ。米は今の破壊的政策で自国も世界も壊しつつあり、末期症状だ。米、その他西側の国は、中国の市場を失うことには耐えられない。チップ産業だけでも米はその6割りは中国市場だ。『5ナノメートル』の最先端チップを作れるのは台湾企業のTSMCだけだが、今水面下で、中国に泣きついてきていると聞く。我々は台湾に対して「米政権のおもちゃにされ、利用され、振り回されるなよ」と警告している。
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