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2019-04-25 12:35
安倍外交への一つの見方
中山 太郎
非営利団体非常勤職員
最近、安倍外交は失速気味だ。ロシアとの北方領土解決もダメになりそうだし近隣の北朝鮮、韓国とも上手くいっていないなど非難轟轟だ。これについての一つの見方を披露したい。プーチンは北朝鮮の金正恩委員長に、日本を入れた六か国協議を提案する可能性が強い。これは安倍総理との密なる交流のたまものだ。6月のG20首脳会議には、中国の習近平国家主席が出席の可能性も強い、その他、新天皇ご即位の諸行事、ラクビー・ワールドカップなどの国際行事も多彩だが、それを縫ってのフランシスコ法王の訪日がある。
10億人以上の信者を擁し精神面での世界に多大な影響力を持つ同法王の来日は重要だ。日本の信者は40万ー50万人程度だそうだが、中国は1千万人以上、韓国は500万人以上といわれる.日本は信者は少ないが美智子皇后さまはじめ要路に信者乃至はその影響を受けた人が多い。麻生副総理は、祖父・吉田茂総理の信仰を受け継ぎ信者だし、五・一五で倒れた犬養総理の孫娘の作家・犬養道子、二二六で、目の前で父を殺された教育者・渡辺和子など、「歴史の苛酷さ」に翻弄された方がたが多いのが印象的だ。
靖国神社の北側の広いスペースには、カトリックの建物があるが、GHQが同神社の存続の可否を諮問した際、カトリック教会が強く存続を主張してくれたことへの感謝の念を込めてのものだ。2014年に安倍総理はバチカンを訪問し法王とアフリカでの開発、世界における健康増進問題などで意見交換をしている、その際、日本への訪問を要請した。その後、バチカン大使として、職業外交官ではなく、経団連副会長で信者の中村芳夫氏を任命し、働きかけを強化した。
また、台湾関係では、総理の祖父の岸信介総理の弟、佐藤栄作総理の国連での毅然とした振る舞いがある。1971年中國の代表権回復、台湾(中華民国)追放を趣旨としたいわゆる「アルバニア決議案」が出て、佐藤政権は反対票取りまとめに奔走するとともに、対案として「二重代表制決議案」、「追放反対重要問題決議案」などの提案を試みた。しかし、頼みの米国は、極めて不熱心で、日本は負けてしまった。米国は、ベトナム戦争解決のために秘かに中国と接触を重ねていたのが、後から判明した。いわゆる冷徹な大国の論理に負けたのだ。翌年の1972年2月に、ニクソン米大統領が訪中し、世界は激変した。当時、国連での敗北に対し、佐藤政権は、野党、ジャーナリズム、世論から袋叩きにあった。しかし、台湾の古い外交筋の人たちは、このことをよく覚えていて、日本は信義を守ってくれたと感謝の念を忘れない。そして、これが世界一親日と言われる今の台湾があるといっても言い過ぎではないだろう。
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