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2018-09-26 11:24
日本に必要なのは晩婚防止・夫婦円満大臣
岡本 裕明
海外事業経営者
日経ビジネスに読み飛ばしそうだけど興味深い記事を見つけましたので今日はその話題から展開したいと思います。タイトルは「少子化の本当の原因 必要なのは未婚、晩婚対策だ」(天野馨南子氏寄稿)。かいつまんで言うと少子化というけれど結婚している夫婦からは平均2人程度の子供はできており、決して少子化ではないというもの。一般に言う出生率の計算方法を読み解くとその原因は晩婚にあり、というものであります。私も知らなかったのですが、いわゆる出生率には二つあるそうです。一つは完結出生児数でもう一つが巷でよく聞く合計特殊出生率。前者の完結出生児数とは結婚後、15-19年経った夫婦の平均の子供数を表し、後者の合計特殊出生率は子供の出生数/(15-49歳の既婚+未婚女性数)で算出します。まず「完結」の歴史的推移ですが、1940年、つまり戦中の時は4.27人、団塊の世代の少し後の52年が3.50人、2002年が2.23人、最新の2015年で1.94人となっています。人口維持できるための出生率が2.07人ですので確かに最近はそれを下回ってはいるものの極端に悪いという程ではありません(数字は国立社会保障人口問題研究所より)。
では夫婦関係が短い場合はどうなのか、ですが、2015年の例でみると結婚期間が0-4年の出生率が0.80人、5-9年の出生率が1.59人、10-14年が1.83人、15-19年で1.94人となっています。ここから読み取れるのは夫婦関係が長いほど子供が多いということであります。ではその夫婦関係はどうなっているかといえば1970年は離婚数は96000件、2016年が217000件ですから夫婦円満を維持できれば子供も増えやすくなる、という推論は立てられそうです。もう一つの問題は晩婚化であります。2016年の平均初婚年齢統計では男性が31.1歳、女性が29.4才であります。この50年でざっくり5歳ほど上がっています。これは子供の数が増えにくくなる原因になるでしょう。ここで、合計特殊出生率の話に戻ります。上述のようにこの計算式は15-49歳のすべての女性が生む子供の数であって未婚女性や晩婚が増えれば当然できる子供は激減するのは小学生でもわかる話です。
ではなぜ結婚しないのか、ですが、私の周りにいるバンクーバーの十数名の独身女性を見ている限り、基本的に興味がないか、探してもよい人に巡り合わないのどちらかのようです。興味なさそうだと感じるのは私が経営する東京の女性専用シェアハウスを見ていても人の入退去の動きが1年に一人か二人程度とライフチェンジをする気配が全くない点からもうかがえます。私としてはずっと住んでくださっていてありがたいのですが、適齢期をどうするのか、とふと心配になってしまうのです。特に女性が年齢を重ねると男性にハイスペックを求めるケースもあり、年齢差が大きい「歳の差婚」が増える原因となります。一方で冒頭の日経ビジネスの記事には男性は35歳を超えると「妊娠させる力が衰えるグループ」と平常に分かれると記されています。つまり、不妊原因が晩婚と「歳の差婚」の影響を受ける男性に起因することも大いにあり得るということであります。
こう見ると子供を作らない理由はかつて様々上がりましたが、結婚するというモチベーションを上げること、婚姻期間が長くなる夫婦円満を維持することが最重要なポイントのように感じます。ではこれは解決可能か、といえば個人的には極めて難しい課題であると思います。変な話ですが、一般的には貧乏で楽しいことが少ない時代やそのような情勢の国の方が子供の数は増えます。今の日本はなんだかんだ言っても富んでおり、楽しいことだらけ、一人生活も全く問題なし、女性の社会進出支援で収入も確保しやすいとなれば低スペックの男は見向きもされない、ということかもしれません。となれば、草食男子はもっと肉食になれ、ということなのでしょうか?どうもこの展開からすると、少子化の原因は男性にあり、という帰着になってしまうのでしょうか?男性諸君、頑張らねばなりませんね。
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