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2016-12-07 20:18
「北方領土返還」実現のための具体策
加藤 成一
元弁護士
12月15日の山口県での「日露首脳会談」が注目されている。これに関連して、各方面においていろいろの見解が発表されているが、その多くは「ロシアの不法占拠」論であり、北方領土問題の歴史的経緯や法的正当性に基づく原理・原則論であり、返還実現の具体的方策に焦点をあてて、踏み込んだ見解や提言は少ないようである。そこで以下に、私なりの「北方領土返還」実現のための具体策を提言したい。
まず、領土問題解決のためには「日露両国民間の相互信頼関係」が最も重要であろう。ロシアのプーチン大統領も中露国境紛争解決の例を挙げて、そのように述べている。その通りであろうが、この信頼関係は、日露両国の首脳間に存在するだけでは不十分であり、日露両国の国民の間にも存在する必要がある。具体的には、領土返還の内容、方法、プロセスにつき、日露両国の国民間における一定の「理解」が必要である。日露両国のトップと言えども、国民の民意を無視できないからである。
次に、北方4島は、ロシア側が70年間「実効支配」してきた地域であり、そこには現在約1万7000人のロシア国民が居住し、生活している。返還された場合には、かれらの処遇に十分に配慮する必要がある。日本側としては、そのような配慮をする用意のあることを、そろそろ具体的な提案として、示してはどうであろうか。
さらに、「北方領土返還」を実現するためには、返還が日露両国の政治経済関係の今後の発展に有益であることが示されなければならない。そのためには、日露両国間において「平和友好親善協定」を締結することが有効かもしれない。経済的利益のみの一方的な、いわゆる「食い逃げ」を懸念する声もあるが、日露両国の「平和友好親善協定」の締結は、そのような懸念を和らげる結果にもなるであろう。
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