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2016-11-21 21:02
トランプ政権の閣僚人事
川上 高司
拓殖大学教授
2016年の大統領選挙が終わった。結果は、世界の予測と期待を裏切ってトランプが勝利した。今後4年間は世界はトランプ大統領と向き合うことになる。実際の得票ではクリントンが47.66%、トランプが47.50%とわずかにクリントンのほうが多かった。その点は留意しておく必要がある。決してトランプ圧勝ではない。トランプは政治経験がない。副大統領のペンスも国政はもちろん外交にも経験がない。まさに16年前のブッシュ政権誕生の再来のようだが、ブッシュ政権の副大統領には経験豊富なチェイニーを配し、共和党幹部たちが周囲を固めて大統領を支えた。
今回のトランプは共和党幹部たちと疎遠な中であり彼らのアドバイスはおそらくトランプの耳には届かない。そうなれば素人集団の政権となる可能性があり、「これからどうなるのか」という不安が世界を覆い、どう対策を練っていいのか世界の指導者たちも戸惑うに違いない。トランプ政権の閣僚人事はまさにまったく予測がつかないが、それでも名前の挙がっている候補もいる。もっとも要となる大統領補佐官には、ベテランのニュート・ギングリッチ、ルディ・ジュリアーニをはじめ、大統領選挙にも立候補したクリス・クリスティー、リンス・プレビュスの名が挙がっている。最も大統領に近い地位だけに重要な人選である。また国家安全保障担当補佐官にはDIA長官(国防情報局長官)、DNI(国家情報長官)の補佐官など情報部門に詳しい退役軍人のマイケル・フィンが有力視されている。
国防長官には、アラバマ州の元上院議員のジェフ・セセッション、ミズーリ州の元上院議員のジム・タレントなど保守派が強い州の上院議員経験者の名前があがっている。セセッションは予算局局長という声もある。外交政策を担う国務長官には、ニュート・ギングリッチ、元国連大使でネオコンのジョン・ボルトン、リチャード・ハスなど、さすがにワシントン政治の経験者の名前が挙がっている。
CIA長官にはルディ・ジュリアーニの名が挙がっている。ジュリアーニは元ニューヨーク市長であり、ニューヨークを拠点としてきたトランプとは深いつながりがあるのだろう。財務長官には、バンカーのスティーブ・ミンチンや、投資家のカール・アイカンの名が挙がっており、金融界の実務のできる人材を配する可能性もある。実業家ならではの発想だろう。しばらくはトランプ政権の閣僚人事が注目を集めるだろう。
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