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2016-11-05 11:55
フィリピンの世論調査結果からみる日本への信頼
児玉 克哉
社会貢献推進機構理事長
フィリピンでドゥテルテ大統領が誕生してから、大統領の過激な言動に注目が集まっている。アメリカ・オバマ大統領を「地獄に落ちろ」と公然と罵るのは驚きだ。現在のところ、ドゥテルテ大統領は中国よりとみられているが、過激な言動から何かで習近平国家主席とぶつかることもあるかも知れない。日本にとってもフィリピンが親アメリカ路線か、親中国路線かは注目したいところだ。
フィリピンの民間社会調査機関であるソーシャル・ウエザー・ステーションズが興味深い「国別信頼度世論調査」を行っている。これまではアメリカ、中国、日本、オーストラリアを対象に行ってきたが、最近は、台湾、ノルウェー、オランダも入れている。特に、アメリカ、中国、日本、オーストラリアは現在のフィリピンに非常に重要な国だ。今回の「国別信頼度世論調査」の結果をみてみると、フィリピン人はアメリカが最も信頼できる国と考えている。オーストラリアと日本はかなり信頼できる国としている。中国は、信頼できない国と考えているようだ。
最近の傾向をみると、アメリカは信頼度数+70ポイントラインを上下している。かなり安定している。オーストラリアと日本は信頼度数+10~+50の間を上下しており、2位争いだ。中国は信頼度数は2012年5月からはずっとマイナスになっている。2015年9月には信頼度数は-46にまで落ちている。非常に厳しい評価だ。このソーシャル・ウエザー・ステーションズの調査から、フィリピン人はアメリカと中国との選択では明らかにアメリカを選んでいることがわかる。最近はかなり安定した数字なので、この傾向が一気に変わることはないだろう。国民感情がこのような状態であれば、ドゥテルテ大統領も時間がくれば、アメリカ寄りになると予想される。
今のところ、安倍首相はドゥテルテ・フィリピンに友好的なアプローチをしており、これから信頼度数は上がってくるのではないかと予想される。フィリピンは若者が多い、活気のある国だ。ドゥテルテ大統領の言動がやや不安なところがあるが、今後、さらに密接に交流できればいいと思われる。フィリピン人も日本を信頼できる相手と考えているようで、これからの展開が期待される。
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