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2016-10-21 09:49
最近の中国指導部の暗闘について
中山 太郎
非営利団体非常勤職員
最近の中国指導部人事について述べる。現今の世界の人々の関心は、11月の米大統領選挙に集まっているようだが、米国に対抗し、現状の秩序に挑戦している乱暴者であり、今や世界の第2の経済大国中国では、順当に行けば来年の秋に第2次習近平政権が発足する予定だ。しかし、ここのところ、様々な風評が飛び交いだしている。
民主国家の米国では、当事者がどんなに隠匿を図ろうとも事前に様々な情報が提示され、ある程度の予測は可能だ。しかし、専制国家では、まったくの闇の中で生きるか死ぬかの暗闘が繰り返されている模様だ。そして、事後にその真相が表に出てくるのだ。例えば、1990年代の天安門事件後に上海から北京へ乗り込んだ江沢民に対し、真っ向から対抗した北京の陳希同、盛況を極めていた北京の銀座といわれる王府井におけるマクドナルドの急きょ撤退、北京副市長の謎を残す自殺(他殺説も取りざたされた)、などである。
これらについて、当時は様々な憶測が流れた。後から、敗者の陳が牢につながれたという真相が、まだ一部ではあるがわかってきた。習近平についても、今夏の北戴河秘密会議の後、精彩がないとのうわさが立ちだした。9月29日付けの党機関紙「人民日報」は、前任者「胡錦濤文選」の報告会が、政治局常務委員勢揃いの下で開かれ、その主催はナンバー2の李克強だったとの記事を掲載している。李は、その後初めて訪米してオバマ米大統領とも会見している。その記事に掲載された習の写真が、いかにも落胆している姿にみられるとの大陸以外のチャイナ観察者たちの解説もある。
習の側近の天津市書記の失脚があるかと思えば、東北部の遼寧省の省議員数十名が失脚するという事態も報じられている。これは、李の仲間だという噂だ。そして、中国経済の失速だ。外に益々強圧的に出てくる予兆もみられ、益々、今の中国から目を離せなくなっている。
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