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2016-05-18 10:15
副大統領候補でトランプの真の顔が見えてくる
川上 高司
拓殖大学教授
5月3日のインディアナ州の共和党予備選挙でトランプが圧勝したが、まだ必要な代議員数には届かない。だが3日の結果を受けて共和党保守派のよりどころであったクルーズが撤退を表明しトランプが大統領候補に指名される可能性が高まった。翌日にはケーシックも撤退を表明しトランプが共和党大統領候補となることは、最後の大票田のカリフォルニア州の予備選挙を待たずして確実となった。
トランプが大統領候補となることがほぼ確実となると、次の関心ごとは副大統領候補である。クルーズの敗因は、副大統領候補にヒューレット・パッカードの元CEOであるフォーリナーを指名したことである。それが超保守派に嫌われ、福音派がクルーズから離れてトランプに票が集まってしまった。そもそも大統領候補に指名される前から副大統領候補を指名するということが異例なのである。
ではトランプはいったいだれを副大統領候補に指名するのか、型破りなだけに全く予測がつかない。考えられる人物を挙げてみると、まず大統領指名レースを争ったオハイオ州知事ケーシックが無難なところだ。下院の予算委員会委員長を務めたこともあり、経験重視でいくならケーシックだろう。オハイオ州での支持も強い。だがその無難さを嫌うトランプだけに、ケーシックと組むことは可能性としては低い。
ニュージャージー州知事のクリス・クリスティーはトランプと似ている部分もあり、ウマは合いそうだ。だが外交やワシントン政治の経験は不足しており、経験不足のトランプを補うことにはならない。同じビジネスマンであるハーマン・ケインも考えられるが、やはり経験不足である。他にもベン・カールソンやポール・ライアンも考えられるが、トランプの強烈すぎる個性とワシントンの政治の経験不足を鑑みるとしっくりこない。一方で現実的な思考の持ち主でありビジネスマンであるトランプゆえに副大統領には経験に富んだ人物を起用し、周囲を固める可能性も高い。トランプはその自由奔放な言動で物議を醸し出しているが、社会や国民の動向を案外しっかり見極めている。副大統領候補を誰にするのか、そこにトランプの真の顔が見えてくる。
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