ギリシャの諺に「始めよければ半ば成功」(Well begun is half done)があるが、日韓首脳会談が、日本にとって良かったか悪かったかといえば、よかった部類に属する。会談すること自体に意義があるからだ。首相・安倍晋三は韓国大統領・朴槿恵の意固地なまでに固い殻をこじ開け、“追い込む”ことに成功した。しかし「半ば成功」には達したものの、問題は「後の半分」だ。慰安婦問題の「解決」は1965年の日韓請求権協定により「解決済み」であるから、「妥結」という“新語”を合い言葉にしたのだが、これはどっちでも同じだ。煎じ詰めれば、慰安婦問題の妥結は、早い話がカネだろう。韓国側のごり押しで中途半端に終わった「アジア女性基金」事業を日韓双方が受け入れられる形で再構築するしか手はないように見える。