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2015-09-28 09:36
プーチンーオバマ会談に関心が集まる国連総会
川上 高司
拓殖大学教授
プーチン大統領はシリアのアサド政権を支援し続けているが、いよいよシリア政府の要請があれば空爆を開始する準備に入った。プーチン大統領は、アメリカにも協力体制を構築しようと秋波を送っている。アメリカは当初は反応を示さなかったが、最近になってカーター国防長官とロシアの国防相が電話会談を持ち、今後も定期的に話し合うことを決めるなど態度を軟化させつつある。
プーチン大統領のシリア政策は本気である。パレスチナのアッバス大統領、イスラエルのネタニヤフ首相、トルコのエルドガン首相をモスクワに招待して会談した。ネタニヤフ首相とはシリア空爆で協力できるところは協力しようという合意を取り付けている。
さらに、電話会談でサウジアラビア国王、エジプト大統領、ヨルダン国王とも会談している。いずれも会談の詳細は明らかではないが、トルコもサウジアラビアもシリアを取り巻くスンニ派国家でありシリア内戦に関わりの深い国家ばかりである。イスラム国と闘う前に入念な根回しをして、戦後の政治的安定を画策している可能性は高い。プーチン大統領の根回しによって、暫定的にせよアサド大統領が留任することは間違いない。そして当然ながらロシアの動きはすべてイランとの合意の下にある。
国連総会に際して、プーチン大統領とオバマ大統領の会談が予定されている。シリア問題が話し合われることは間違いない。2年前のシリア空爆を外交で解決した2人が再び動きだすとなれば、シリア内戦は大きく動くかもしれない。折しもヨーロッパはシリア難民で溢れ、難民問題は国際問題となりつつある。この米露会談に世界の関心が集まっている。
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