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2015-01-21 16:47
政治の責任としての財政健全化
鈴木 馨祐
衆議院議員
平成27年度の予算案が閣議決定されました。財政の今の状況を考えれば、歳出の削減に向けて、社会保障費を中心に今後一層の抑制を行っていかねばなりません。国土交通省の大臣政務官という立場からではありますが、しっかりと頑張っていきたいと思います。
2015年度にプライマリーバランスの赤字半減という目標については達成の見込みですが、2020年の黒字化に向けては今のままの流れでは達成は困難です。企業収益等の改善による税収の自然増、そして日銀による国債の購入により人工的に金利の高騰が抑えられていること、この二つの幸運により、財政の現在の危機的な状況がある意味で覆い隠されているというのが今の実態です。このような幸運に恵まれる期間はそう長くはありません。経済状況は必ずいつか悪化します。そのときには税収も減りますし、景気対策等々により機動的な財政歳出も必要になります。また、日銀も金融緩和を永遠に続けられるわけではありません。
確かに国債発行額が久々に30兆円台等々財政再建に向けての歩みは進んではいますが、社会保障の「自然増」のペースも抑制できていないなど、歳出面の膨張基調は変わっておらず、かろうじて歳入面でそれが相殺されたにすぎません。いまの一時的に恵まれた状況の中で、問題の解決を先送りすることは厳に慎まねばなりません。高福祉低負担のモデルは、持続は不可能でツケを先送りするにも限界があります。低福祉低負担あるいは高福祉高負担のどちらの路線で進むにしても、負担とサービスはあくまでバランスしていなければなりません。
麻生財務大臣も歳出と歳入の両面での抜本的な改革を進めることに強い意欲を示しています。もはや問題の本質から目をそらすような議論をしている場合ではありません。政府全体としても、潜在成長力強化とともに、財政健全化についても喫緊の課題として明確な方向性を示さねばなりません。
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