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2014-12-22 10:49
CIAバッシングとアメリカ民主党の末期的症状
高畑 昭男
ジャーナリスト
米中央情報局(CIA)による過酷な尋問の実態を批判した報告書の公表が注目されているが、新聞報道によれば、報告書をまとめて公表したのは民主党だけで、内容に関する意見の対立から共和党は離脱したという。誠実かつ公正不偏の立場で知られる過去の議会報告とは、少し質が違うのではないだろうか。どちらかというと、民主党報告と呼ぶべきだと思う。
しかも、民主党は先の中間選挙で大敗を喫し、来年1月から始まる新議会では、上下両院ともに支配権が共和党に移る。オバマ大統領は既に任期2年余を残してレイムダック化している。大統領、議会ともに国民の信を失いつつある中で今回の報告書の公表が行われたことを考えると、「かろうじて勢いがあるうちに、思い切りCIAをたたいて置こう」という政治的意図が感じられてならない。
その証拠に、ブレナンCIA長官が自ら記者会見を開いて、報告書の内容に強く反論している。それはそうだろう。このようなバッシングを受けたままでは、第一にCIA職員らの士気が極端に低下してしまい、テロ防止に必要な情報活動がおろそかになってしまう。第二に、拍手して喜んでいるのはアメリカに反抗する中国、ロシア、イランなどの国々や、国際テロ組織関係者たちだろう。
言い換えれば、報告の公正さや内容の適切さはさておき、このような自虐的な報告が公表されたという事実だけで、アメリカの対テロ能力、情報活動能力は一段と弱体化するだろう。オバマ政権と今の民主党は、つくづくアメリカを「弱いアメリカ」にしてしまうことに喜びを感じているとしか考えられない。やっていることを見ると、2009年~12年までの3年間に日本の民主党政権が「弱い日本」にしてしまったことと酷似している。日本の民主党はもはや救いようがないようにみえるが、アメリカ民主党はこんなひどい政党ではなかった。いったいどうしたのだろう。
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