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2014-11-13 10:19
アメリカの中間選挙を受けて
鈴木 馨祐
衆議院議員
先日、アメリカの中間選挙の結果が出ました。共和党が上下両院の多数派となったということ、そしてオバマ大統領との関係で言えば「ねじれ」状態となった、ということは日本に取って何を意味するのか、慎重に分析する必要があります。日米は、特に安全保障面においては中国という地域の脅威、かつ国際的なルールへの挑戦を続ける軍事大国と太平洋あるいは東シナ海を挟んで対面しているという地政学的な環境の中で、政党による若干の違いはあっても原則的には極めて緊密な協調が出来ているところです。
今後、オーストラリアも含め、西太平洋、アジアの地域の安定の為に共通の利益を数多く有する環境には大きな違いは無く、また共和党も一時期隆盛を誇ったティーパーティー系の候補が多数を占めるわけではないので、安全保障面においてはそれほど大きな違いは無いだろうと思われます。相互にさらなる緊密化を進めていくことが重要です。
むしろ、今後を考える中では、経済面、より具体的に言えばTPPのような貿易・通商の面と、金融規制についての行方が注目されるところではないかと思われます。もちろん、民主党の大統領のもとで上院下院ともに共和党という状況であっても、現実的にはその大統領や院内総務の相性や性格によっていろいろなパターンは存在するわけで、日本としては、先入観をもつことなく、うまく交渉するということに尽きるのではないかと思われます。
次の大統領選挙が近づいてくれば、当然党派の理屈が優先されレームダック状態になることは予測できることですので、懸案についてはなるべくその前に処理しておくことが重要でしょう。また、金融規制や財政については世界経済への影響も大きいところでもあるので、イギリスなど立ち位置の近い国とともにアメリカに対しても様々な形でメッセージを国際社会として伝えていくことも重要ではないかと思われます。いずれにしても、アメリカの国内の政治バランスが変わったことは事実であり、精緻な分析が喫緊の課題です。
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