先月メキシコに出張し、メキシコシティで開催された「地球温暖化対策議員連盟の世界議員サミット(GLOBE International, World Summit of Legislators)」に出席してきました。会議自体は三日間にわたるものでしたが、私は二日目の会合に出席し、その全体会合で日本の議員団を代表して以下のようなスピーチをさせていただきました。
「気候変動の問題を考えるにあたって最も重要な点は、気候変動の対策において勝者も敗者も存在しない、全員で取り組んでいかねばならないということです。そしてその観点から、2015年に向けての最も重要なフレーズは、『共通だが差異のある責任(common but differentiated responsibility)』です。それは国際社会にあっては、途上国も新興国も先進国も全ての国が責任を果たすということであり、国内にあってはそれぞれの国においてどのように民間、つまり個人や企業に枠組みに参加してもらえるかということです。それを考えるとき、最重要のテーマは『エネルギー効率』です。『成長と環境』のジレンマを解決する唯一の方法がエネルギー効率を軸とした気候変動対策の推進なのです。世界で最もエネルギー効率の高い社会の一つである我が国においては、規制とインセンティブの組み合わせでエネルギー効率を高めてきました。規制とは、国や地方政府、民間の主体に至るまで様々な義務化を行うことであり、インセンティブとは、トップランナー方式や税制、価格への反映メカニズムなどにより個人や企業にインセンティブを与えることです。そして国際的な枠組みを考えるとき、我々は次のことに留意しなくてはなりません。それは気候変動対策がその実施においてなかなか進まない理由は何なのかということです。ボトルネックが技術にあるのか資金にあるのかあるいは意志にあるのか。技術が無ければ先進国は途上国に技術の移転を行う必要があります。ただしそれはビジネスベースで行われねばなりません。資金に問題があるのであれば、先進国は途上国が環境技術を導入しやすくなるような融資を出来る基金を国際機関と連携してつくる必要があるかもしれません。そして意志、やる気に問題があったらどうするか、それが一番難しい問題だということはここに出席している政治家であれば理解していることではないかと思います。繰り返しますが温暖化・気候変動対策には勝者も敗者もいません。困難が山積している状況でぜひともに闘っていこうではありませんか。」