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2014-05-13 17:18
初の女性の米国大統領誕生か
川上 高司
拓殖大学教授
日本にとっても人ごとではない米国の大統領選挙の幕が、そろそろ切って落とされようとしている。オバマ大統領の支持率が43%と伸び悩むアメリカ国内では、すでに2016年大統領選挙に関心が移っている。民主党ではヒラリー・クリントンへの期待が圧倒的に高く、民主党の大統領候補になることは間違いないだろう。
一方の共和党では、クリントンに匹敵するほどの存在感のある候補がいない。2014年の大統領選挙で注目を集めたマルコ・ルビーノは、アピール度がなかなか高まらない。そんな中で共和党内で期待が寄せられているのが、元フロリダ州知事のジェブ・ブッシュである。前ブッシュ大統領の弟で、2014年の大統領選挙では周囲の期待にもかかわらず断固出馬を拒否した。5月1日に発表されたクイニーピアック大学のフロリダでの世論調査では、共和党で大統領候補として支持するのはブッシュが27%、ランド・ポールが14%、マルコ・ルビーノが11%と割れている。それでもブッシュへの期待はだんだんと高まっている。
対する民主党候補ではヒラリー・クリントンが64%の支持を集め、ジョー・バイデンの11%に比べて圧倒的な支持を得ている。クリントンとブッシュではどちらに投票するかという問いには、クリントン49%、ブッシュ41%とクリントンがリードしている。だが、注目すべきは女性票である。女性票でクリントンを支持したのは56%に対して、ブッシュを支持したのは36%にとどまっている。この傾向は共和党候補がルビーノやポールであっても変わらない。党派を超えてクリントンを支持する女性は62%と高いのである。
もちろん勝敗に影響力を持つのは女性票だけではなく、ヒスパニック系の票も影響力を高めている。だが、ヒスパニック系の女性票がクリントンを支持するとなれば、圧倒的な差がつくことは間違いない。2014年民主党大統領候補選出のレースでクリントンは「ガラスの天井が存在する」と、アメリカ社会での女性の限界を訴えた。2016年のレースでは、自らそれを破るかもしれない。アメリカ史上初の女性大統領の誕生はもうすぐであると期待を込めて、次期大統領選挙には注目したい。そしてアメリカで女性大統領が誕生することは、世界中の女性にとっても夢と希望をもたらすに違いない。アメリカの真の強さがここにある。
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