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2014-02-10 12:10

女性大統領誕生も夢ではない2016年の大統領選挙

川上 高司  拓殖大学教授
 今年は中間選挙の年であるが、民主党も共和党も早くも次の2016年の大統領選挙に照準を合わせている。どちらの党も候補者が早くも名が挙がっている。民主党はオバマ大統領には次の選挙がないため、早くも有力な候補者さがしに力を入れている。現職議員からも支持が高く、知名度、実績、国民からの支持が圧倒的に高いのがヒラリー・クリントン氏である。2014年2月3日のCNN世論調査では民主党候補としてヒラリーは70%の支持を集めた。

 民主党としては史上初の女性大統領を誕生させれば、オバマ大統領に続いての偉業となる。国務長官を辞任する際、ヒラリーは「大統領選挙には出ない」と宣言していたが、「女性の地位向上のために」と言われたら、再びワシントンに戻る気になるかもしれない。オバマの時と同様にヒラリーが合衆国大統領となることは、世界中の女性の「希望」となるに違いない。彼女もそれは十二分にわかっているはずである。

 そのヒラリーを脅かす存在はバイデン副大統領しかいないだろう。バイデンもまた上院外交委員会、副大統領という実績を誇る。CNNのインタビューでは「いろいろ難しいが」といいつつも「大統領選挙にでられないという理由はない」と立候補の可能性をにじませている。バイデンは自分は「大統領の資質がある」と自信を隠さないところを見ると選挙に臨む意欲が高いのかもしれない。そうなれば2016年の民主党はヒラリーとバイデンの激しいレースが展開するかもしれない。共和党は民主党に比べると候補者にいまひとつ華やかさに欠ける。前回の大統領選挙ではヒスパニック系のマルコ・ルビーノが注目を浴び、2016年の大統領選挙でも参戦してくることは間違いない。前述したCNN世論調査では共和党候補としてはハッカビー(14%)、ランド・ポール(13%)、クリス・クリスティー(10%)、マルコ・ルビーノ(9%)となっている。

 さらに世論調査では民主党ヒラリーと共和党ジェブ・ブッシュの場合どちらに投票するかという問いにはヒラリー57%、ブッシュ37%、ヒラリー対クリスティーの場合もヒラリーが55%、クリスティー39%の支持となっており、ヒラリーの支持の強さを物語る。オバマが黒人初の大統領という歴史を作って以来、アメリカは「あり得ない」ことがなくなりつつある。史上初の女性大統領の誕生も夢ではない。さらに進めば初めての女性大統領という議論もこの先は消えるかもしれない。アメリカの強さをそこに見ることができるようで、2016年の大統領選挙が楽しみである。
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