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2013-11-25 16:44
本質を見失わない特定秘密保護法案審議を
鈴木 馨祐
衆議院議員
ここ数週間で、アメリカやオーストラリアといった同盟国の大使や政府の高官と意見交換を非公式の場でする機会が何度かありました。日本と価値を共有するいわば同盟国の間で強い関心がもたれているのが、今国会で審議されている特定秘密保護法案です。なぜ関心が高いのか。それは間違いなく、この法案がきちんと成立し執行されれば日本との間でさまざまな情報交換が初めて可能となるからに他なりません。
特定秘密保護法案がない状況では、日本に対して軍事的なあるいは外交上の機密情報を提供し、共有することは事実上不可能と言っても過言ではありません。情報の共有が出来ないということは、軍事的な意味合いにおいても外交的な意味合いにおいても、日本は真の同盟国としては取り扱われないということを意味します。中国や北朝鮮といった、日本を攻撃する意図を否定できずしかもその能力を保有している隣国に囲まれている我が国の環境下にあって、特にアメリカの日本の安全保障へのコミットメントが充分でないとすれば、それは極めて致命的です。今回の特定秘密保護法案、その意味でその必要性に疑問を持つ人は正当な国際感覚を持っていればまずいないであろうと思われます。
しかしその一方で、その必要性は十分に認識しつつも、その時の政府の都合で、政府に都合の悪いだけの情報が意図的に隠されてしまうようなことがあればそれはまた大きな問題であって、そのような事態は断固避けねばなりません。きわめて単純化していえば、この両方、つまり我が国の安全保障上不可欠な同盟国との連携を一層深化させるために不可欠なツールという側面と、秘密にする正当性がない情報まで恣意的に秘密にされてしまうという危険性、これをどう両立させるかというのが、今回の法案審議の唯一の軸ではないかと思われます。
色々な議論が拡散する中で、本質が見失われることは往々にしてありますので、この基本的な問題認識を根底にもちつつ、私もNSC特別委員会の委員の一人として審議に臨んでいきたいと思います。これまで当委員会で審議してきたNSC法案の審議もようやく大詰めを迎えています。ここ数週間が色々な意味でのヤマ場ですし、それは何も今国会ということではなく、安倍政権さらには日本の今後にとって極めて重要な時期を迎えるといっていいのではないでしょうか。外交・安全保障の問題だけでなく、特区や産業競争力強化への法案など経済関係の審議も極めて重要です。
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