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2012-11-29 11:15
日本再生のビジョンと実行力を総選挙の対立軸に
田村 秀男
ジャーナリスト
衆議院議員総選挙の真の争点は、経済であり、日本再生のための実行力である。筆者はどの政党寄りでもない一介の経済ジャーナリストだが、円高・デフレ容認の民主党野田政権にその能力がないことは明らかで、少なくとも政権を担う資格はとっくに喪失している。皮肉を言えば、「脱デフレ・超円高是正」の口先だけの政権と日銀の組み合わせだったからこそ、安倍自民にチャンスが回ってきた。
時代の要請が政権交代を必然化しているし、次期政権はその実行力で重大な使命を持つ。日本再生の確かなビジョンと精緻な実行力を総選挙の対立軸にすべきだ。新政権に半端な政策や失敗は絶対に許されない。さっさと円高是正策に踏み切り、「メード・イン・ジャパン」の再興に政策のかじを切ることだ。
外国為替市場に介入して円安誘導せよ、というのではない。日銀に明確な量的緩和政策をとらせる。量的緩和を徹頭徹尾否定してきた白川方明総裁が来年4月に任期切れとなるのだから、量的緩和政策実行を約束する人物を次期総裁に選ぶだけでも、超円高の流れが止まるだろう。総裁人事は内閣が任命するが、国会の同意が条件なのだから、量的緩和を唱える安倍晋三総裁の自民党が決定力を持ちうる。
メード・イン・ジャパン復活を急ぐもう一つの理由はチャイナ・リスクである。沖縄県尖閣諸島の国有化をきっかけにした中国の反日政策は中国共産党大会後にスタートする習近平体制で収まるはずはない。次期首相と目される李克強氏は「日本企業重視」論者だが、党中央内部での政治的影響力は弱い実務家に過ぎない。1党支配体制自体が自壊しつつあり、年間2000億~3000億ドルもの資本が国外に逃避している。国内の不満を排日ナショナリズムに転換させるしか習体制は当座をしのげない。米中の変化は、日本の国際ビジネス環境を大きく変える。日本は国を挙げて円高是正を急ぎ、メード・イン・ジャパン再興の道を切り開くしかない。
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