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2012-10-25 06:57
斜めから川柳詠めば、見えてくる
杉浦 正章
政治評論家
<仮病なら、みんな安心とりあえず>というわけで、何とかこの場は切り抜けたが、国民の目は節穴ではない。あの民放のコメンテーターまでが「うそ」と見破るようでは、形無しだ。法相辞任劇はうその上にうそを塗り固めたものだ。野田がまず大うそをついた。「引き続き加療が必要なためだ」と、すべてを病気のせいにした。これが第一のうそ。第二のうそは「非常に残念なことだ」と、思ってもいないことを口走った。「辞めてくれて、有り難い」のが本音だ。そもそも改造は、朝日川柳で<こんなので、選挙に臨むいい度胸>と言われた通りの結果なのだ。第三のうそは官房長官。藤村は「体調不良で辞めることは、いかんともしがたい」と、やはりぬけぬけと病気のせいにした。第四の口走ってはいけない大うそは「首相の任命責任にはつながらない」だ。このうそには、コメンテーター様たちも怒った。「私は弁護士だけど」と前置きして怒った。弁護士でなくても怒っていいのだが、やはりここは「弁護士」と言いたかったのだろう。政治ニュースも馬鹿げた大臣のクビばかり追い回していて、<大臣のクビが政治じゃあるまいに>と嘆かれる始末だ。
そして「そうだったのか」と、はたと手を打つ。<近いうち閣僚辞任のことでした>となる。自民党は谷垣以下、野田の誠実そうな人柄にだまされたことになる。「近いうち解散」発言から2か月半がたっても、まだ「近いうち」にならない。まさに<ドダヌキが化けたドジョウは、手に負えぬ>だ。おりから民主党内は“解散恐怖症”が蔓延していて、<「か」の字聞くだけで、震える民主党>の状態。まるで解散ノイローゼだ。野田にも伝染して、「か」の字はタブーだ。首相周辺では「かりんとう」と言ってももいけないのだ。「かんてい」と言っても怒られるのだ。しかし、<先延ばししても、お先は真っ暗だ>では、「かんねん」するしかないことが、恐怖症の面々には分からない。屋敷を野武士に囲まれた公家集団のように「おじゃる」「おじゃる」と右往左往だ。
人心を少しでも官邸に集めようと、三流政権はあらゆる事象を利用する。五輪と合わせて世界大会13連覇を達成したレスリング女子の吉田沙保里は、もちろん国民栄誉賞を受けて当然だが、野田がやると“臭い”のだ。朝日に<贈るほうにはおおよそ遠い栄誉賞>と言われてしまうのだ。
男女の仲で女性が言う「あなたを信じた私が馬鹿だったのね」は常套句だが、これでは有権者も<誠実なドジョウと思い込んだ馬鹿>ということになる。国民は、朝日のように<泥濘(ぬかるみ)や、死ぬまで泥鰌(どじょう)飼うことに>となってしまうのだろうか。たしかにどじょうはのらりくらりとしぶとく生きる。<支持率がマイナスになりやっと辞め>くらいに思っておいた方がよいかも知れない。しかし、正義は最後には勝つのだ。人をだます人には、きっと天罰が下るのだ。<落城へうそ塗り固め、壁もたぬ>となるに違いない。黒サギ城はうその塗り壁から崩壊するのだ。ところで、自民党もだらしがない。<老舗では古看板の塵(ちり)はらう>と、もう政権取ったつもりでいても、野田政権を追い込めるかというと、なかなか決め手がない。「うそつきはほとんど病気民主党」などと副総裁・高村正彦が“遠吠え”しているが、手に負えないのだ。審議拒否のラッパを高らかに鳴らしていたかと思えば、これも世論の反発で<振り上げた拳のままで出る審議>となってしまうのだ。永田町はやはり<恥知らぬ人多く住む町があり>か。
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